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 夢から覚めたのに。
 また覚めた。


 夢の中で夢を見ていたの?


 「お姉ちゃん。 どこ?」


 暗い。 暗い。

 なにも見えない。
 一条の光もない。


 ここはどこだろう。


 雨の音もしない。 夕焼けもない。 月もない。


 怖い。


 「…お姉ちゃん。 ……お姉ちゃん!」


 そばにいてよ。

 ずっと、いつでも。



 「…………お姉、ちゃん…」

 「澪?」
 「! お姉ちゃん!」


 暗闇から、ふっと繭の姿が浮かび上がる。


 「やっと会えたね、澪」
 「お姉ちゃん…」
 「? 涙…? 澪、泣いていたの?」
 「ん。 ちょっと…」
 「どうして?」


 お姉ちゃんが、そっと私の顔を両手で包み込む。

 あったかい。


 「……怖かったから」
 「怖かった?」
 「…目が覚めて…お姉ちゃんが、いなかったから」
 「そう…。 ごめんなさい。 でも。 私だって、澪がいなくて…怖かったんだよ」


 それは。

 いつの、なんのことを言っているんだろう。



 たぶん、全部。


 私はお姉ちゃんに静かに顔を近づけて…、
 それで、自分の心が全部伝わって欲しいと思った。


 重なった、唇から。

 全部。



 「ずっと…一緒、だよね?」


 確認するように、お姉ちゃんに言う。


 するとお姉ちゃんは、今までで一番きれいな笑顔を見せたあと、

 「うん。 ずっと一緒」

 そう言った。


 「大好きだよ、お姉ちゃん」
 「私も、好きだよ」

 「いつまでも」
 「いつまでも」



   ずっと、一緒だから。


…It was conneted.









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